kariaの日記 @ Alice::Diary

ノリツッコミの鳩子がはてなブログ書いちゃうよ

VTuberにもっと気軽に「リスナーの名前を呼んでほしい」と思う理由

アイドル用語に「認知」という言葉がある。簡単に言うと、イベントや握手会などを通じて、「推し」本人がファンの顔を覚えること・個人として認識することを指す。

推しが公認ストーカーになりました」というマンガに、認知について非常にわかりやすいコマがある。

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「推しが公認ストーカーになりました」第2話より

この場合、『主人公がイベントで最前列にいた』という事実だけでなく、「相変わらず」という言葉から『以前のイベントでも最前列に居た』という事実を「認知されている」わけである。

推しに「認知された」ことがわかったファンは、通常は相当な喜びを得るだろう。中には「恥ずかしいので認知されたくない」というファンもいるかもしれないが、それは一旦置いておく。


さて、アイドル化が著しいVTuberの場合はどうだろうか?

VTuberの場合、リアル会場を使ったイベントが開催された場合にファンの「顔」を見る機会がある。会場の客席に向かってカメラが設置されることにより、双方向にコミュニケーションを行うことが可能となっている。

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VTuberのイベント会場に設置されたカメラ(筆者撮影)

リアルイベントの開催には会場を借りる費用など多額の経費がかかり(スタジオや3D関係の費用を考慮すると一般的なイベント開催費用より高額になると想像される)、チケット代も高額だ。更に、VTuberに限った話ではないが感染症の影響で実会場を利用したイベントはもうしばらく自粛になるだろう。

リアルイベントが開催されなくなって少し経ち、私はVTuberとリスナーとの間には相当な距離感があるのではないか?」と考えることが増えた。

しかし、それは本当にリアルイベントが開催されないからそう思うのだろうか?VTuberは日々行っている生配信という手段で、一般的なアイドルよりも高頻度でファンと接しているはずだ。それなのにどうして距離感を感じてしまうのだろうか。


生配信におけるファンの「顔」、つまり個人を識別できるものはコメントやチャットと共に表示される名前(ニックネーム)である。

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YouTube配信のチャット欄の例

リスナーは、チャット欄やコメント欄に表示された名前を呼ばれることにより、VTuber本人に個人を認識してもらった(つまり「認知された」)と考えることができる。

逆に言うと、明示的に名前を呼ばれるような機会がない限りは、VTuber本人がファン個人を認識しているかどうかはわからない。名前以外に相当な特徴があり個別に言及せざるを得なくなるほどのファンなら別だが、荒らし行為以外でそのようなことは難しい。


なので、私は「VTuberにはぜひ気軽にリスナーの名前を呼んでほしい」と考えている。常日頃からリスナーの名前を気軽に呼べるような環境にしていってほしい。それが、ファンやリスナーが感じる距離感を一気に縮める手段になるはずだし、漫画やアニメのキャラクターとは違う「生身」で活動していることを示す特徴・武器になるはずだ。

身近な名前を呼ぶ手段として、YouTubeのスーパーチャット読み上げを連想する人が多いだろうが、別に手段はそれだけではない。ラジオのように記名のおたよりフォームを設けてもよし、単にコメントをくれた人の名前を呼ぶだけのコーナーを作ってもよし。イラストを描いてくれた人の名前を併記するようにしても良いし、Twitterのリプライで時々名前を入れるようにするだけでもファンが感じる距離感はより縮まるであろう。


極端な例を言うと、ファンを入れたTwitterリストを作ったりフォローバックしてしまえば、もう「認知した」と言ってるのも同然だし、これを実践しているVTuberも存在する。ただし、数十人ならともかく万単位に及ぶファンをリスト管理するのは果てしなく面倒で、現実的ではない。ファン数や本人の負担度合いに応じて、より気軽な方法を模索すると良いだろうと思う。