前編があまりに長すぎるため後編です。
後編では、引っ越しの実作業にフォーカスを当てていきます。なお、前編記事も一部修正を行ったので内容を忘れてきた方は改めてどうぞ。
「自力で運ぶ」という選択肢
自力で運ぶ必要がある対象
前編で取り上げたフィギュアの運び方について、以下のように結んだ。
どうしても手持ちのフィギュア破損に耐えられないのであれば、元箱を大切に保管するか、自力で運ぶべきだ。
これについては引っ越し業者の案内にも「貴重品・美術品はご自身でお運びください」といった注意書きがある。フィギュアは、モノによっては美術品扱いだと考えて良い。
もう1つ自力での運搬を検討した物品があった。デスクトップPCである。
PCについては運送業者からの注意として「必ずバックアップをお取り下さい」と書かれている。しかし今回運んでいただくのはそのバックアップを含む一式だ。容量はTB(テラバイト)単位に達しており、クラウドで気軽にバックアップできる容量ではない。仮にこれらPCが破損したことによりデータ一式が消え去ったとしても、PCの修理費用は補償されるかもしれないが、バックアップデータの価値は保証されないだろう。
今回は、フィギュアについては厳重に梱包して業者に任せることにした一方、デスクトップPC1台については重要であったため、引っ越し決行より前に、自前で運ぶこととした。
自力で運ぶ方法
今回、引っ越し先が比較的近く(23区内で完結する)であったため、タイムズカーの会員登録を行ってカーシェアを積極活用した。PCともなると公共交通機関で運ぶのは重労働すぎるし、タクシー運搬では高額になりすぎてしまう。この用途にピッタリハマるのはカーシェアしかない、という判断であった。
タイムズカーには無人入会機が存在し、Webで事前入力を済ませてからその機械に行くと当日その場で会員カードをゲットでき、カード発行費用もなんと無料である。郵送なんて待ってられん!という今回のタイミングではピッタリの入会方法であったが、システムトラブルで結局その場で入会処理が完了せず、実際に利用できるのは次の日からとなった。
レンタル料は15分220円となっており、例えば往復が1時間以内で終われば880円とかなり割安である。ただ、実際には運転者自身で荷物の積み下ろしを行う必要があり(1人なので)、荷物の積み下ろしを済ますとついでに新居で軽く掃除でもしたい気持ちになっていき、結果として利用時間は伸びていく。引っ越し業者による引っ越しは効率よく出来てるんだなぁと実感するところでもあった。
自力運搬のその他の活用法
自力運搬の手段を持っていると役に立つもう1つのケースとしては、「元々余裕のない部屋に住んでいて、引っ越し段ボール置き場が捻出できない場合」である。私は梱包中にどうしても場所の余裕がなくなったため、コタツを自力運搬で新居に持っていき、旧居の空きスペースを確保した。まあ、モノによってはベランダに一時出すという選択肢もあるかもしれない。
なお、カーシェアの会員券を持っていると、「いつでも行き来できる」という安心感が出てしまい、多少の積み忘れがあっても「また取りに来ればいっか」となってしまうのはちょっとよろしくない。それを運ぶのは将来の自分だと心得ておいてほしい。
引っ越し当日
そうこうしているうちに迎えた、お引っ越し当日。
「フリー便」という何時でもよい便を選択していて、数日前に「15時頃から作業開始」という連絡を受けていたものの、夜間の作業はほどほどで切り上げ、翌日の作業に備えて寝た。当日、案の定「前の作業が早く終わったので早く行きたいんですが」という連絡が。この手の業者の予定はだいたい早まるので、夜遅くまで作業しすぎないように気をつけよう!
当日やってきたのは、説明通りトラック2台。そして作業員は4名体勢だった。リーダー格と部下3人という感じ。人数が多いことやリーダー格の人がテキパキ指示していった事もあり、搬出はサクサクと進んで行った。
そして引っ越し先。エレベーター無し3階という比較的悪条件にもかかわらず、大量の同人誌入り段ボールがモリモリ運ばれてくる。これはすごい。段ボールが積まれすぎて「この部屋にこれ以上段ボールを入れると身動きが取れなくなりますよ」という勧告を受けた部屋があり、急遽搬入先を変更するといった事態があった。
また洗濯機設置でもちょっとしたトラブルがあり、防水パンが二槽式洗濯機対応の時代(平成最初期)のもので、そのままでは持ってきた現代の洗濯機が設置できないというものだった。足置き台を設置してかさ上げしないと排水がきちんと行えないらしい。「台は2980円で、ホームセンターでも同程度で買えますよ~」との事で、ここで買わないとかさ上げされずに放置されて帰ってしまうことになるため、仕方なく2980円を支払うことにした。しかし後でヨドバシドットコムなどで検索するともうちょっと安くてゴム製のものが見つかり、複雑な心境である。まあ、設置もしてくれたので、その費用だと思えば、うん。
その後
開梱は引っ越しから1ヶ月以上が過ぎた現在も着々と進行中である。なにしろ70箱以上の箱があるのだ!全部開け終わることは無いんじゃないかとも思っている。もし開け終わったら改めて報告しよう。
なお、引っ越し業者による段ボール回収は見積り時の記載により有料だったり1回限り無料だったりするらしい。自分は「無料」と言われたのだが、開梱のペースが遅く通常の資源ゴミとして出してしまったほうがラクなのでそのようにしている。一度に大量に回収に出そうとすると、市区町村の回収でも有料扱いになる可能性が出てくるので、業者回収も一応頭にいれておきたい。
終わりに
タイトルに「77000円で引っ越しをした」と書いたがこれは壮大な釣りである。2980円の足置き台を買ったので、そもそも引っ越し業者からの請求額が79980円だったし、カーシェア利用により1万円以上請求が来ているし、当然ながら敷金や前家賃も支払っているし、ホームセンターやAmazonから家具や生活用品をせっせと買い込んでいる。総額がいくらなのかは(大まかには把握しているが)怖くてきちんと計算していない。
引っ越しについては、考える要素(パラメーター)があまりに多すぎて、トラブルにひっかからないことがまれであるし、次々にいろいろな判断が迫ってくる。しかし、やるしかないと決めて解約した日からはひたすら走り続けた。がんばったがんばった。
この記事がオタク諸君の引っ越しに少しでも役立てたなら幸いである。