声優ファン(の中でも特にイベンターと呼ばれる部類の人)というのは、相手が人間だからか「特定の相手に対してはとことん尽くす」「その相手以外は比較的どうでも良い扱いになる」という特徴がある。それを一番表しているのが「プライマリ*1」という言葉である。
声優ファンはその性質上、突き詰めるところはとことん突き詰める。普通は1枚しか必要ないはずのCDもイベントのためなら喜んで複数枚購入する。イベントのために年に何度も遠征する。よりよい座席確保のためにもっと多くのお金を出したり、情報のアンテナを高く張ろうとする。
アニメ・マンガファンは、たとえば特定の作品がどんなに好きであっても、じゃあ他の作品が全くどうでも良い、捨て去っても構わないかというとそんなことはない。当然、アニメファンの中には声優さんに興味を持つ人もいるであろうけど、そういう人が「アニメファン」と「声優ファン」の中間であるかというと全く違う。例えば「好きな声優さんはいるけれど、その人が自分の観てるアニメに出てればラッキー」とか、その程度であればその人はまだ声優ファン寄りではなくアニメファン寄りの立場である。
この辺が、おとボクのキャスト発表時に見られたようなファン同士の反応の剥離に繋がるのではないかと私は思っている。比較的画一的な方向性を持つアニメファンやエロゲファン方面の人間が、突出した方向性を持つ声優ファン方面を叩くのは半ば必然なのであろう。しかしいくら叩かれたところで声優ファン方面の人間は「どうでも良い」ので気に留めることもない。かくして平和が戻ってめでたしめでたし。
それでお前はどうなのよと言われますと、ここ1年で急にイベントに行くようになったものの、やっぱりアニヲタ畑の人間なのでそこまで突出した方向性ももてないし、しかしイベントがあれば向かっていくので、どっちつかずのままウロウロしたまま今に至るわけで。多分これからもそのままよ。
*1:自分の一番のお気に入りの声優さんを示す言葉。「自分のプライマリは○○さん」「プライマリ誰?」などというような会話が時々あったりなかったり。